ベルギーチョコレートとベルギービール

ビールとチョコレートの相性はいかに?

ベルギービールとベルギーチョコレート

ビールとチョコレートは本当に合うのかと疑問に思われている方も多いと思います。ブランデーにチョコなら聞いたことあるけど、ビールとチョコレートって…
そこで、びあトモスタッフが実際に試飲&試食会を開き、ベルギービールとベルギーチョコレートの相性を探ってみました。

用意したのはチョコレートがレオニダスのオランジェット、ベルギービールはなるべく毛色の違うものをと、デリリュウム・トレメンス、シメイ・ブルー、オルヴァルの三種類です。もちろん、すべて専用のグラスでいただきます。
やり方は至って簡単、ベルギービールを数本空けて程良く気持ちよくなったところで、あらためて開栓した上記三本の銘柄を一つずつ、オランジェットをかじってはビールを一口、ビールの味が残っているうちにオランジェットをもう一度、それをびあトモスタッフ四人で何度か繰り返しました。

(画像は後日撮り直したため、デリリュウムが25周年記念IPAのボトルになっていますが、実際にテイスティングしたのは通常のデリリュウム・トレメンスです)

果たしてその結果は

総評としては、濃厚なベルギービールの味にしっかりとしたベルギーチョコレートはよく合います。考えてみれば、世の中には柑橘類を使ったフルーツビールもありますし、カカオの苦味やコクもビールと合うはず、チョコレートエールというのもあるぐらいですから。
問題は砂糖の甘み。これがビールの味を生かすか、はたまた喧嘩してしまうかがポイントでしょう。

その点、オランジェットはいつまでも口に残るようなくどい甘さではなく、ベルギービールにもチョコの甘さに打ち負かされないだけのボディがあるので、両者の愛称はとてもよかったのです。
というような、試す前から予測できた結果の報告だけではつまらないので、個別の銘柄毎に詳しく見ていきましょう。

お薦めはシメイ

Orvalとレオニダスのオランジェット

そこそこの相性の良さを見せたのがデリリュウム・トレメンスでした。
テイスティングに参加した四人全員が悪くない、中々いけるという評価で、おそらくはアルコール度数の高いデリリュウムのこと、ダイレクトなアルコールの辛さをチョコレートの甘味が和らげてくれるので、ついついもう一口飲みたくなるようです。

オルヴァルは評価が大きく分かれました。チョコとは合わないという否定派と、いや、結構いけるという積極肯定派が二人ずつという結果に。トラピスト・ビールの最高峰ともいわれるオルヴァルですが、そのフルーティーさが徒となったのかもしれません。

全会一致で(といっても四人だけですが)チョコレートとの相性抜群という評価を得たのがシメイの中でもとりわけ濃厚なシメイ・ブルーベルギービールならではの深く濃い甘味と苦味がチョコレートとマッチするようです。
今回はシメイの中でもアルコール度数の高いブルーだったので、デリリュウムと同じようなチョコレートとの相性を示しましたが、これがホップを多く使っているシメイ・ホワイトとの組み合わせだとどうなるのでしょうか。機会があれば、シメイ・レッド、ホワイト、ブルーの3種類とチョコレートで飲み比べしてみたいと思います。

バレンタインデー・ホワイトデーにベルギーチョコレートはいかが

結論 : 予想外というべきか、はたまた思った通りなのか、ベルギービールにベルギーチョコレートは十分に「あり」でした。
傾向としては、よりアルコール度が高いほど、より味が濃厚であるほど相性がよさそうです。ということは、結局ブランデーの方がいいのではないかという疑惑を残しつつ幕を閉じた試飲&試食会でした。

日本ではなぜか甘党・左党といって相容れない存在にされてしまっていますが、決してそんなことはないと筆者は確信しています。
かつてパリからアムステルダムまで行く夜行列車に乗ったときのことでした。その車中で一緒になったポルトガル人ご一行、フランス語とスペイン語のすさまじい混成会話でどうにか理解できたのは、彼らがクリスマスと新年の休暇を終えて、オランダに出稼ぎに戻る途中だということでした。
翌日からの仕事に備えて車内では静かにした方がいいのかと思いきや、深夜になっても(ということは、今にして思えばベルギー通過中!!)、ビール・たばこ・チョコレート(となにかのお菓子)をまるで三種の神器のようにシートに並べ、同じコンパートメントの筆者にも勧めてくれたのでした。

レオニダス売り場 leonidas

20年以上前の話で、それが何のビールでどこのチョコレートであったのか、細かなことはもはや忘却の彼方ですが、そのチョコレートの強烈な甘さと、実は禁煙コンパートメントだったことだけは今でも覚えています。
ビールとチョコレートの本場では、昔からどちらも同じように愛されてきたという証拠と言えるかもしれません。

今度のバレンタインデー、ビール好きの男性にはベルギーチョコレートを贈ってみるのはいかがでしょうか。二人でチョコとビールを一緒に楽しめば、とても喜ばれることでしょう。もちろん、ホワイトデーのお返しもベルギーチョコレートで決まりです。
そして、これからはビール女子へのプレゼントにも困ることはなさそうです。

なお、上記の評価はびあトモスタッフ個人個人の好みに基づく感想であり、絶対的な相性の程度を保証するものでもなければ、まして、ビールそのものの評価ではありません。
今回は意見の分かれたオルヴァルも、オレンジピールを使ったオランジェットとではなく、もっとオーソドックスなトリュフなどと合わせれば異なる結果になりそうです。

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