ベルギービール特集 presented by びあトモ

夕闇がせまり、ウッドベースを利用したネオンサインが灯ると、今宵も「Le Temps Perdu （ル・タン・ペルデュ）」の幕が上がります。
1989年、JR桜木町駅から徒歩6分ほど、横浜は野毛の賑やかな一角に、横浜で初めてのベルギービール専門店が誕生しました。以降、ほぼ四半世紀を過ぎた今も、その独特な雰囲気は変わることなく、常連から新規の方まで、様々なお客さまに扉を開き続けています。

提供しているベルギービールは、樽生4タップ、瓶は、トラピストビール8種、アビィビール8種、フルーツランビックビール11種、ホワイトビール2種、レッドビール2種、ストロング ゴールデン エール5種などなど多種多様で圧倒的です。
ヨーロッパ生活も長かったオーナーIKUO三橋氏のセレクトと四半世紀の伝統に裏打ちされたその品揃えは、あなたにもきっと満足のいく銘柄との出会いをもたらすことでしょう。

また、ベルギービールと共に饗されるフードの数々も絶品です。ベルギービールで煮込んだタンシチューや、フレンチ・ホットドッグ（パンの部分が所謂フランスパンでたまりません！）、自家製燻製盛り合わせなどなど、ベルギービールとの相性も抜群です！

Le Temps Perdu （ル・タン・ペルデュ）は、昭和22年（1947年）から営業していた「ポンユー」という喫茶店を譲り受けて開店しました。カウンターや、のっぽの赤い革の丸イス2脚、店内を突き抜ける真鍮製の柱、木の床（いい音で軋む！）、天井にかかる大きな羽のファンなどは「ポンユー」からそのまま引き継ぎ、他のアンティークの品々も、オーナーのIKUO三橋さんが各国を回った際に集めたものとのことです。
独特な温かさと雰囲気を持つ店内は、ゆっくりとベルギービールを味わうのに最適です。酔いもまわってくると、異なる国、異なる時間の中で飲んでいるようにさえ感じられ、まさに、失われた時間（店名の由来です）の中で飲んでいるかの気分です。たいへん心地良いです。
因みに、のっぽの赤い革の丸いすは、まだ子供だった美空ひばりさんがお気に入りのイチゴミルクを飲む時に必ず座っていたイスだそうです。
店名の由来や、「ポンユー」、美空ひばりさんのこと、などなど、ココではとても全てをお伝え出来ませんので、詳しくは Le Temps Perdu （ル・タン・ペルデュ）公式ページの「ル・タンとは」をご覧下さい。

オーナーのIKUO三橋さんは、と簡単に経歴をまとめられる方ではないのですが、ザッとご紹介させて頂きますと、パントマイムのアーティストで日本国内のみならず海外でもパフォーマーとして活躍されております。パントマイムは大学２年生の頃から始め卒業後は浅草の松竹演芸場にて演じていた時期もあり、その頃に隣のフランス座に出演していたビートたけしさんも舞台を観に来ていたりし、NHKの昼の「プレゼント」という番組に１年間レギュラー出演し当時の特に子供たちに圧倒的に支持され親しまれ、赤坂のあの伝説の名店「コルドンブルー」に出演されていたりしつつ、やがてパントマイムを更に学びにフランスへ渡り、そしてパリ国立サーカス学校（日本人がイメージする国立学校とは桁が違います）で教える立場にまでなり、帰国するとニューオータニに出演されたり、などなど、もう本当にこのコーナーだけでまとめるのは不可能です。他にも、自宅の前で始めたパフォーマンスが今や毎年恒例となった野毛大道芸というイベントに発展することや、お店の上で営業されているサーカス用具専門店のお話などなど、もう、お店に行ってIKUO三橋さんに直接お聞き下さい。話題豊富で、気さくで飄々とされていて、取材にも気軽に応じて頂き、カウンターではお客様と気さくにお話しされる“なんとも魅力的な男性”なのです。
そんなIKUO三橋さんが、修行時代のパリで飲んだベルギービールの衝撃が忘れられず開いたお店が、ここ Le Temps Perdu （ル・タン・ペルデュ）です。

IKUO三橋氏　プロフィール（文化庁）
IKUO三橋氏　著書　「サーカス芸入門 (シリーズ・子どもとつくる)」(amazon.com)
Le Temps Perdu Offical Home Page