BrewDog x Mikkeller in 原宿 (1)

published on 2014-12-04

Stewart BowmanとMikkel Bjergsøのセミナー with スペシャル・ビール

the SAD cafe

11月29日、今年も残すところあと一月となり、日増しに冬が近づいてくる週末、あいにくの空模様にもかかわらず、原宿はラフォーレ横の路地を少し入ったところに、あふれんばかりのビール愛好家の熱気が充ち満ちている場所がありました。80年代アメリカのおもちゃ箱のような店内の楽しいカフェ・バー、the SAD cafeです。

ある意味、日本のポップカルチャーの最先端スポットともいえる原宿に、どうしてビール好きが集結したのか。それはクラフトビール・マニア垂涎のイベント、BrewDog x Mikkellerがこの地で開催されたからです。

BrewDog x Mikkellerとは、その名の通り、ヨーロッパのクラフトビール界をリードするBrewDogとMikkellerのコラボ・イベントで、両ブリュワリーの2時間飲み放題という夢のような企画なのです。日本における輸入総代理店であるウィスク・イー主催で開催されました。
ウィスク・イーは他にもノルウェーのNøgne øやオランダのDe Molenなど、クラフトビールの中でも最先端をゆくブルワリーのビールを提供しており、我々びあトモも知らぬうちにずいぶんとお世話になっていました。


飲み放題イベントそのものは、東京でこの日に2回、翌日に大阪で1回、それぞれ開催されるのですが、それに先だって、BrewDogのヘッド・ブルーワーStewart BowmanとMikkellerの創始者Mikkel Bjergsøを招いて、スペシャル・セミナーが開かれました。

写真は向かって左がStewart Bowman、右がMikkel Bjergsøです。

セミナーではテイスティングとして、Mikkellerからクリスマス・エールのHoppy Lovin' Christmasが、BrewDogからはインペリアル・スタウトのDog Cが振る舞われ、二人が順番にそれぞれのビールにまつわる話や、ブリュワリーの理念などを話すという形式で進行していきました。

BrewDogとMikkellerに共通して言えることは、既成のビールという概念に囚われることなく、自分たちの作りたいビール、飲みたいビールを、時には冒険、いや、実験しながらも追い求めているという求道者の精神でしょうか。
この2人がクラフトビール界のカリスマとしてビール愛好家の間で絶大な人気を誇るのも、正にこのチャレンジ精神と、そこから生み出される高いクオリティーのビール故のことでしょう。


Mikkeller BANGKOK

MikkellerのHoppy Lovin' Christmasはいわゆるクリスマス・エールですが、寒い季節に合うよう濃色でテイストフルなビールが多いのに対して、ホップの効いたクリスマス・エールをというのがコンセプトで、結果的になのか当然の帰結なのか、IPAとなっています。
Mikkelさん曰く、クリスマスらしい原料をということで、最初はクリスマスリースなどによく使われるニワトコ(日本でもよく見かける、小さな赤い実をつける低木の亜種です)を使おうとしたが、古代からその薬効で知られる植物だけに使用すると問題ありということで、同じくリースに使われることも多い松を使ったそうです。
他にもジンジャーを加えて、フランスから取り寄せたワイン樽で熟成させた特別なクリスマス・エールとなっています。

一方のDog Cはというと、Equity for Punks(BrewDogに少額投資するためのプログラム)の購入者などが招待されて、スコットランドで開かれていたBrewDog創立7周年パーティーのために造られたスペシャルエールで、カカオとコーヒー豆、そして、世界一辛いというナガチリを使用したインペリアル・スタウトとなっています。
とはいえ、決して激辛ビールなどではなく(あたりまえか)、甘くて芳醇なコクのある味わいで、特に原料としてだけではなく、熟成時にも投入したというカカオのテイストが効いており、その後からチリがほのかに追いかけてくるという感じです。
フルボディに15.1%という高いアルコール度数も相まって、もうゆったりと、それこそブランデーでも飲むように味わいたくなるビールでした。個人的には本日いちばんのヒットで、少量だけは市場にも出回ったようですが、もう入手できないかなあ。
ちなみに、Dog Cの前年にはDog Bが、その前にはDog Aが醸造されていて、年を追う毎にチリが強力になっているそうです。来年はどうするんでしょうか?


Mikkeller BANGKOK

30分ほどのトークセッションが終わると、いよいよ、お待ちかねのイベント、BrewDogとMikkellerの2時間飲み放題一本勝負(?)の始まりです。
まずは受付にて、ウェルカムドリンクをいただきます。Mikkellerからはセミナーでも出されたHoppy Lovin' Christmas、BrewDogはセゾンビールのElectric Indiaです。ただし両方ではなく(残念無念)、Hoppy Lovin' Christmasがなくなり次第、Electric Indiaに切り替えるということでした。
我々は第1部の最初からだったので、提供されていたのはHoppy Lovin' Christmasで、もちろん、このビールにはなんの不満もないのですが、それでもやっぱり、Electric India飲みたかった〜。

会場は普段からthe SAD cafeとして営業している1階に加えて、地下1階と2階も使用していて、合計で3フロアという結構な広さになっていますが、そこに集まったビールファンの数も半端ではなく、毎回200人のチケットが前売り段階で売り切れたということです。

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gomo

author : gomo
my favorite beer : Gouden Carolus Classic