第二回びあトモ試飲会~サンタさんの贈り物~

published on 2015-02-17

試飲会準備風景

年末にびあトモメンバーが集まり、第二回びあトモ試飲会を開催しました。メンバーはhiro(初老)、kiyora(45歳)、toshibou(ゆとり教育)の三人。

今回の場所は私(toshibou)の家での開催となりました。一般的におっさんと呼ばれる年齢の二人が、1Kの狭い我が家に集合。それだけで不思議な光景なのだが、集まった日が12月22日ときた。
次の日が休み、クリスマス間近と、世の中がキラキラし、外では幸せが目に見える形で漂ってる時期に男三人(内おっさん二人)と部屋でビールを飲む・・・

こ、これは・・・
クリスマスプレゼントだ!
一年いい子にしてたから、サンタさんからのプレゼントに違いない!!
おっさん(サンタ)からおっさん達への聖なるプレゼントなんだ!!!

とサンタさんとビールの神様に聖杯(ビール)奉げ、試飲会は始まりました。


様々な種類のヴァイスビア

今回、日頃気になっていたビールも皆で持ち寄り、計21本のビールが大集合しました。
そして、今回の試飲会の目的は【ヴァイスビア】
まずヴァイスビアの基本的な説明をしましょう。

ヴァイスビアは、別名“白ビール”、または“ヴァイツェン”とも呼ばれてます。小麦を原料とした南ドイツ発祥のビールで、ヴァイスビアのヴァイスとはドイツ語で“白”、ヴァイツェンはドイツ語で“小麦”を意味します。

  • 主な特長は、こんな感じです。
  • ふっくらとした泡が特徴(注ぎ方もワザと泡立て、クリーミーな泡を楽しむ)
  • 色が白濁(名前に白が付いてるだけあって白濁した色合い)
  • 苦味が少なくフルーティーな味わい(ほど良い甘さ、そして後味には、ほのかにバナナの味が)
様々な種類のヴァイスビア

日本のビールとは、色合い、味わいがどの点も似つかない。これがビール?と疑問に思ってしまうぐらい日本のビールとはかけ離れている。なにせビールなのに“甘い”という表現をつかってしまうぐらい特徴的な味わいだ。日本のビールみたいにジョッキでグイグイ飲み、ホップの苦味を楽しむというよりは、一口一口を丁寧に、後に残るフルーティーな味わい、甘さまでも楽しんで飲むというスタイルがこのヴァイスビア。
非常に飲み応えのある贅沢なビールなのだ。 また苦味が少なく、ほど良い甘さがあるため、是非とも女性にオススメしたいビールになっている。

女性にオススメしたい、贅沢なビールをおっさんと飲む・・・

サンタさん本当にありがとう!!

とついつい叫びたくなってしまうものだ。


富士桜高原麦酒ヴァイツェンボック

まずは【富士桜高原麦酒 ヴァイツェンボック】
ヴァイツェンボックの“ボック”とは?
では、ボックビールの基本的な説明から

  • ドイツが発祥のビール
  • 色が琥珀色~茶色
  • コクがあり濃厚な味わい
  • 甘味が強くモルトの味が支配的
  • アルコール度数が7%と強め

色から想像出来るように、とても濃厚でどっしりとした味わい。カラメルフレーバーが強く独特の甘味が特徴で、苦味がほとんど感じられない。 感覚的に日本の黒ビールをもっと濃く甘くした感じだろう。
そして一番の特徴がアルコール度数。普通のビール(ラガー、ヴァイツェン)が5%前後に対して、ボックは7%とかなり強め。
しかし、甘さと濃厚な味のおかげでアルコールの強さはあまり感じない、うっかりしてると後々大変な事になってしまう。


富士桜高原麦酒ヴァイツェンボック

このビール、富士桜高原麦酒ヴァイツェンボックのラベルからわかるように、冬の寒い時期によく飲まれる。そして他の国内メーカーさんもだが、秋から冬にかけて、寒い時期になると期間限定でボックシリーズが販売される傾向にある。
なぜ冬によく飲まれるのか?
その答えは簡単、高いアルコールで冷えた身体を暖めよう!とボックビール発祥のドイツ人の知恵から生まれたのが、このボックビールなのだ。


さて基本的なボックビールの説明をしたところで、富士桜高原麦酒ヴァイツェンボックの試飲レポートだが、このビール非常に飲みやすい。 口に入り、鼻に抜ける感じ、後味の一連の流れが、なんの引っかかりもなく駆け足で通り抜けてく感じだ。
ボックビールの説明で触れた独特の甘味は、それが強く残るだけの残念な結果になってしまう事もよくある。しかし富士桜高原麦酒ヴァイツェンボックはその甘さを上手に使い、洗練された甘さだけが残るよう作られている。いつまでも甘さを引きずらず、口の中にほのかに残った甘さを優しく感じさせる後味に仕上がっているのだ。
それは富士桜高原麦酒で長年培った、ヴァイスビアに特化した洗練された味わいと、富士山の恩恵を受けた良質な地下水が、この味を出してると思うと十分納得出来る。ヴァイツェンボックのいい所だけを残し、日本人のお口に合うよう造られた富士桜高原麦酒ヴァイツェンボックは、まさしく日本人による、日本人の為のビールなのだ!


ホフブロイシュヴァルツヴァイス

次は【ホフブロイシュヴァルツヴァイス】
ロゴの“HB”、ドイツ料理のお店で観た事のある人も多いのではないでしょうか?

このホフブロイ、ドイツでは非常に有名。なにせ1589年に開設されたとんでもなく歴史のあるビール醸造所なのだ。信頼と実績のある醸造所のビールこそ、本場ドイツのヴァイスの味を楽しめる。ヴァイスビアの教科書的ビールなのだ。

そのヴァイスビアの中でも今回は“シュヴァルツヴァイス”
ドイツ語で“シュバルツ”は“黒ビール”という意味。ローストされた香ばしいモルト、そしてコーヒーやキャラメルを彷彿とさせるビター味が一気に口の中に広がる。ヴァイスビア本来のフルーティーな甘さはもちろんの事、その後に訪れるビターな甘さは切れがよく丁度いい、まろやかな甘さだ。
口当たりはまろやかだが少し重めな感もある分、一口一口を味わって、一本を長~く楽しむ事がオススメだ。

長く楽しんでいる分、もちろんビールの温度も温まってきてしまう。しかし私はここからが黒ビールの本当の楽しみ方のような気がする。ビターな甘さは温度が高くなる分、甘さが際立ち、感覚的に溶けたチョコレートを彷彿とさせる味になる。
もちろん個人的な楽しみ方で、ただ“ぬるいビール”と感じてしまう人もいるだろう。
しかし私は“ぬるいビール”が大好きなのだ。
どちらにせよ一本を長く楽しむのは、豪快にガバガバというよりは繊細に一口一口楽しむ、これこそ優雅に家で飲むビールにピッタリな気がする。


ここまで2本、そして持ち寄ったビールを合間に数本飲んでいる状態なのだが、ここでお酒のお供、今回の食事を紹介しましょう。
家での開催、言わば宅飲みになるわけで、料理はもちろん手作り、家主の私が料理担当となりました。

年末の寒い時期暖かいものを、そして相手はおっさん、という事から、 『湯豆腐』 となりました。

湯豆腐
ベーコンポテト

安易な考えですがシンプルな方がビールの味も際立つだろうという発想です。他にも色々とおつまみを作り、趣味の料理を存分に振る舞いました。

キッチンで料理をし、振り返ると2人のおっさん
サンタさん本当に感謝してるぜ!!


湯豆腐

この湯豆腐、後から聞いた話なんですが、最初おっさん達には不評だったらしいのです。
「湯豆腐なんてテンション上がらないわ~肉食いたいわ~」
「スーパーで肉買って勝手に入れてやろうぜ」
とまで言ってたらしい。
しかしどうでしょう、おっさん2人、美味い美味いの大合唱、やれ柚子コショウが合うだの、紅葉おろしが合うだの、やっぱりポン酢が一番だよね!と結局テンション上がってましたよ。
おっさん大満足。
やっぱりおっさんはおっさん、シンプルな味が一番合うだろう、の予想は大正解でした。

おかげで、豆腐が切れてしまったので急遽買出しに、近くのスーパーが閉まってたので、仕方なくコンビニで安い豆腐を購入。やはり安い豆腐なだけに質が良くなく、あまり美味しくかったのか、おっさん2人不満顔。

おっさん2人可愛く見えてきたぜ。


ウィートキングウィット

そんなこんなで試飲会は続きます。
次は、ベアードビールの逸品【ウィートキングウィット】

目的はヴァイスビアと言っておきながら、アルコール強めのボック、黒ビールのシュヴァルツと続き、このウィートキングウィットに居たっては、ウィートエール(ウィット/ヴィット)という種類になり、ヴァイスビアですらない。しかし、酸味のある甘い香りや、フルーティなホップと小麦の後味を常々とてもヴァイスビアっぽいなぁと思っていたお気に入りの1本なので、今回敢えて一緒に飲んでみた。

重めの2本の後にこれを飲むというセオリーを無視した飲み方は、どう影響するかというと、非常にライトに感じ、スイスイ飲めるのだった。フルーティーな味わいは、重めなビールが続いた分際立ち、苦味の少ないやさしい味は、この状況にピッタリなビールとなっている。
このビールは静岡県で造られているビールで、小規模ながらも一本一本丹精込めて造られてるビール、それが十分に伝わってくる。
また、無濾過、そしてビンの中で二次発酵して熟成するよう造られているのが最大の特徴でもある。
スパイスやフルーツなどを一切入れずとことん自然にこだわった味は、口当たりも軽く、芳醇な小麦のフレーバーを気軽に楽しむ事が出来る。 屋内ではなく、青空の下、自然を大いに感じながら飲みたいビールだ。


ここまでで紹介した3本のビール、そして他のビールを合間に飲んできた中で、ここにきて私が是非オススメしたい飲み物がある、しかもこの状態にピッタリの飲み物。
それは【グリーンシャワー】という炭酸水だ。

グリーンシャワー

ビールではない、もちろんアルコールも入ってない。
ではなぜグリーンシャワーをオススメしたいかというと、この炭酸水、ホップの味がしっかりくっきり楽しめるのです。
サッポロビールが2010年に品種登録したホップ「フラノビューティー」の香りを再現し、香料として使われているのです。普段ビールを飲んでて、ホップの味と言われてもピンと来ない方に飲んでもらい、是非ホップの味を認識して欲しい。
口の中の入れた時の感想は一言“緑”。
ホップの香り、苦味は癖になる味だ。
色々なビールを飲んだ後のびあトモメンバーには、お口直しにピッタリの飲み物なのだ。


東京驛100周年記念麦酒ヴァイツェン

さて試飲に戻り、ラスト一本。
【東京驛100周年記念麦酒 いわて蔵ビールヴァイツェン】

ここに来てようやくスタンダードなヴァイツェン。当たり前だが、しっかりとヴァイツェン!な味が楽しめ、舌触りもよく、軽い酸味の中にバナナのような甘味、うま味も充分に楽しめる。
一番の売りは“東京駅100周年記念”という所だろうか。記念ビールはイベント事でよく発売されることが多いが、少し前の東京駅100周年記念suica騒動のせいか、このビールはとても貴重なビールに思えて仕方が無い。
味もさることながら、存在自体の重みが味を含めビールとしての価値を格段に上げている。味だけを楽しむ物だけではなく、見た目、思いを楽しめ、普段とはまた違う感覚で戴くことが出来た。


終宴

これにてすべての試飲が終了。
4本それぞれを戴く中でやはり、ヴァイスビアはこの季節にピッタリのビールと、再認識出来た会でした。
ライトなビールをグビグビ、せかせか飲むより、一口一口味わって、一年の締めとして、ゆっくりしたペースで楽しむ。そして一年間の思い出をゆっくり語らう。
囲んだ卓をそんな場してくれる、それがヴァイスビアのいい所。

ま、語らうって言っても・・・
おっさんとですけどね!!

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toshibou

author : toshibou
my favorite beer : サントリーモルツ