バンコクのクラフトビール事情 (6)
published on 2014-12-23
バンコクのクラフトビール・ブーム火付け役 BEERVANA
ここ数年、急速に拡大・加熱しつつあるバンコクのクラフトビール・シーン、びあトモ・バンコクレポートではこのムーブメントの中心といえるクラフトビール・バーを紹介してきましたが、その火付け役ともいえるのがBEERVANAです。
BEERVANAはアメリカ人のAaron Grieser氏とBrian Bartusch氏の2人によって、2年前にバンコクで設立されたクラフトビールのインポーターです。
ビアバーなどの運営はおこなっていないので、外国人観光客がBEERVANAと直接に接触する機会というのはまずありませんが、バンコクでクラフトビールが飲めるバーや、クラフトビール関連のイベントには必ず関わっていると言っても過言ではないほどの存在です。
実際、今回のレポートで紹介したクラフトビール・バー、HOBS, Roadhouse, Craft, Beer Bridge, BREW, Mikkeller Bar、そのすべてにBEERVANAの輸入したクラフトビールが並んでいました。
また、ただ単にビールを輸入して卸すというだけの役割にとどまらず、バンコクのクラフトビール・シーンのすべてに関わっている、いえ、むしろこのムーブメントを先導してきたという点では、正しくクラフトビールのキュレーターなのです。
アメリカ、ノルウェー、そして、日本
Beervana取扱いクラフトビールのラインナップはアメリカを中心に、日本でも人気のあるブルワリーもあれば、日本ではあまり見かけることのないものもあり、実に興味深く、厳選されたラインナップとなっています。
代表的なところを列挙すると、アメリカはオレゴン州のマイクロ・ブルワリーが豊富で、Ninkasi Brewing, Deschutes Brewery, Rogue Ale、カリフォルニアのAnderson Valley Brewing。
他にもノルウェーのNøgne ø、そして、日本からはBaird Beer、馨和、ヤッホー・ブルーイングなどがタイに提供されています。
オレゴンのNinkasiやDeschutesはスポットで入ってきたこともあるようですが、日本ではなかなか飲める機会のないビール、それが定番で入ってくるのですから、実はけっこう羨ましい環境なのです。
筆者の個人的なおすすめは、DeschutesのChainbreaker(ホワイトIPA)と、Anderson ValleyのBrother David's Double(ベルジャン・ストロング・エール)ですが、来年には取扱い醸造所がさらに増えるということ、バンコク訪問の楽しみがますます増えそうです。
Brianさんに直撃インタビュー 一問一答
今回、びあトモではジェネラル・マネージャーであるブライアンさんにメール・インタビューさせていただきました。
一問一答形式ではありますが、クラフトビールのインポーターを始めたきっかけ、取扱い醸造所のこと、これからの展開など、Brianさんのクラフトビールへの熱い思いが伝わってくる内容となっています。
Q: どのような経緯でタイでクラフトビール輸入を始めましたか?
A: 僕はタイ南部の小さなリゾートのゼネラル・マネージャーで、アロンは企業弁護士でした。二人ともタイでは手に入らないクラフトビールが恋しく、他の人もタイで恋しがっているのを知っていました。
市場を観察し、クラフトビール事業の可能性を見出だし、輸入・流通によってビールに対する情熱に従うことにしました。
Q: Anderson Valley, Deschutes, Rogueなどのラインナップが豊富ですが、これらのブルワリーを選んだ理由はなんですか?
A: これらのブランドが素晴らしいビールを醸造していることを以前から知っていましたし、私たちが一番好きな醸造所だったからです。彼らは私たちと取引をしたいと言ってくれ、さらに東南アジアにおけるクラフトビールの将来性を感じ取った人々です。
Q: 今後、どのような展開を考えられていますか?
A: 瓶、缶、樽生に限らず、世界中の最高かつ最も新鮮なクラフトビールを東南アジアに提供し続けることです。
Q: 今、タイのどれぐらいのバーと取引がありますか?
A: タイ国内では約200のバー・レストランと取引を行っており、弊社の「Craft Beer Club」という自宅への宅配サービスを利用するお客様も数多くいます。
Q: Beervana直営のバーなどはありますか?
A: 色々とお話は頂くのですが、弊社はあくまで輸入・流通会社であり、クラフトビールバーの直営は行っていません。
Q: 日本のクラフトビール・ファンに一言
A: クラフトビールとは、情熱、品質、そして楽しむことです。クラフトビールは世界中に広まっており、ファン層は拡大し続けていきます。僕からのメッセージは以下の通りです。
「素晴らしいビールを、素晴らしい友人と、どこであろうと楽しんでいきましょう!」
author : kiyora
my favorite beer : Dead Pony Pale Ale